続きが気になる
次のようなシチュエーションを想像してください。
給湯室でお茶を入れようとしたら,同僚のA子さんがあなたに近づいてきて,こっそりこう聞きました。
「ねぇ,ねぇ,知ってる?」
何のことか思い浮かばないあなたは聞き返しました。
「え?何?」
「あ,まだ聞いてない?あのね,ウチの課のYさんがね,この前,隣の課の…」
とA子さんが言いかけたところで,そのYさんがコーヒーカップを片手に給湯室に近づいてきました。
その姿を見たA子さんは
「あ,じゃ,またね」
とだけ言って,給湯室から出て行ってしまいました…
さあ,あなたはどんな気分でしょうか?
Yさんがどうしたのか,何があったのか。
その隣の課の…って誰のこと?
続きが気になって仕方がないはずです。
脳が図を完成させる
では,もうひとつ。この図をご覧ください。
肝腎な部分は隠れていますが,何の絵かは分かったはずです。
そう「象」ですね。
ゲシュタルト(全体性)を求める脳
脳は,情報を一部だけ与えられたら,全体を完成させたいという傾向を持っているのです。
話の出だしだけ聞かされたら続きが気になります。
見せられた絵に隠された部分があっても補完して完成形を思い浮かべることができます。
足りない物を埋める傾向,完成させたいという傾向。これをゲシュタルトと呼びます。
マインドマップでは,ブランチを先にかいて,そこにキーワードやキーイメージを載せます。
先にブランチを伸ばすことで,「ここに何かかきたい」という欲求を脳が持つのです。
ですから,もし何も良いアイデアが浮かばないとき,手が止まったときは,とりあえずブランチだけ伸ばしておくのもいい方法です。またいつか脳がその空白を埋めたいと思いつくかもしれないからです。
目次に戻る マインドマップとは?
前の記事を読む 全脳型の思考 マイケル・ブロックの見解
次の記事を読む 放射思考する脳
参考図書『新版 ザ・マインドマップ(R)』